守ってダーリン！
（そっか・・・そうだよね・・・。）


「ね？」と相槌を求めるお姉ちゃんに、私は短く「うん」と頷く。

「じゃあ・・・市谷さんによろしくね。」

「うん。浜口さんにも。・・・いままでありがとう。」

最後は笑顔で手を振り合って、それぞれが、大好きな人の待つ場所へと向かっていった。

マンションを出て、そのまま歩道を歩いて行くと、ハザードランプを出している市谷さんの車が目に入った。

引っ越し作業を手伝ってもらったものの、最後はお姉ちゃんと二人だけで挨拶をしたくて、荷物の搬出が終わった後、車で待ってもらっていた。

「お待たせしました。」

コンコン、と助手席の窓をたたいてから、ドアを開けて車に乗り込む。

外を眺めていた彼が、私を見ると優しく微笑む。

「ああ。挨拶できた？」

「はい。」

「まあ、引っ越すっていっても近いんだし。落ち着いたらうちにも来てもらおう。」

「はい・・・お姉ちゃんにも、同じようなこと言われました。」

「そうか。」

市谷さんが笑う。

「じゃあ、がんばって早く片付けないとな。」

そう言って私の頭を軽く撫でると、彼はアクセルを踏み込んだ。
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