博士と渚くん
凹凸のない体。
伸びきっていない手足。
きめ細やかな白い肌。
圧倒的に足りない身長。

そこには、小学生頃の私がいた。




「もうわかった? 正解は若返り薬!」

へたっと腰を床に落とした。
なにこれ。現実?

まさかと思っていた答えがここにあった。

「……やっぱり食べなきゃよかった」

「博士優しいからなぁ。
優しいいい人は損をする時代なんだよ」

薬を盛った本人は、悪びれもせずに笑った。

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