電波ジャック~ハロー・ラバー~
「ちぃーす」
朝のHRの後の短い休み時間。セイが俺のクラスに来た。
よく通るセイの声。いつもはすぐに挨拶を返すんだが、今の俺は正直、そんな気分じゃなかった。
自分でも思う。
『話しかけてくんな』オーラを、体中から発しているんだろう、と。まぁ、直す気はさらさらないんだけど……。
「どうしたんだよ、マサ。元気ねぇじゃん」
「話したくねぇ……」
別に勉強とか悩みとかはない。
ただ、俺は本当に今朝、家を出た後、物凄く学校に行きたくない事態になったんだ。
机に突っ伏す俺に、目線を合わせるようにしゃがむセイ。
「なんだよ、ツイてなかったのか?山羊座のマサ」
顔を向けるとニヤニヤしてる。
そう言えば―――
「お前は水瓶座だったな」
「当たり。ってことは、決戦の日に運が悪くて凹んでるのか?」
「ちげぇよ……」
あぁ……ヤベ。
思い出しただけで、向こうずねと膝と肘と股が痛い。
自然と背中が丸まる。
「クソッ……」
顔から火が出そうな、あの瞬間。
「おはよう、平野くん」
名前を呼ばれたら顔を向ける。
人間としての当然の反射。
が、俺は話しかけてきた相手の顔を見て、顔を赤くした。