君を思ふ
のんびり歩いている健太を置いて、学校まで走った私は、今説教をされている。


「 全く、部長ともあろう人が遅刻してどうすんだ。」

『 すみません、以後気を付けますー。』



うるさいハゲの説教を聞き流し、適当に返事をする。

そんな私に呆れたのか、諦めたのか、すぐに解放してくれた。





だってお母さんが起こしてくれなかったんだし。しょうがないじゃんっ。


心のなかで愚痴を言いながら、部室へ向かう。



カシャン



『 ん?なにこれ。』

部室に入ったとたん、何かを踏んでしまう。
見ると、鈴だった。

さびついていて古そうな鈴のため、振ってもさほど音は鳴らなかった。



でも何か引っ掛かる。
嫌な予感っていうかー‥‥
女の勘!的な‥‥


鈴を見ながら考え事をしていると、ふいに桜の花びらが落ちてきた。



『 え 』

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