冷たい手
4、車内
ミカはその日、いつもより遅く起きた。
目覚めは良かった。熱も大分下がったようだ。

遅く起きても、誰にも怒られない。

ここはどこ?

目がさめてから、ミカは自分がどこにいるのかを考えた。

「車…」ミカは昨日の事を思い出した。
思い出しただけで、嫌な気持ちになる。

ミカは考えるのをやめ、起き上がり前を向いた。
布団がかけなおされている。

彼が誰かも知らないのに涙が出た。
布団を全てあげ、膝を抱えてミカは泣いた。

腕に、自分で貼った覚えが無いのに、バンソウコウが貼られている。

涙を拭う。そして、車の中を見渡した。
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