スイートプリンスの恋の魔法 ~愛しきビタープリンセス~
己の弱さにドンヨリと沈んでいると、ポンと村星君から投げ掛けられた言葉に顔を上げる。


「人間誰だって苦手なもの1つや2つあるだろう。オレキャーワー騒ぐだけの女より、風家みたいなヤツの方がよっぽどいいと思うから……気にすんな」


クリスを顔の真正面まで持ち上げてニッコリ笑う村星君の言葉も笑顔も、塞ぎ込んでいた私の心を見事に潤した。


初めてこんなにも至近距離で見た村星君の笑顔に、ドキンと心臓が跳び跳ねる。


「あ……ありがとう……」


家に帰ってから、これしか返せなかった事をとっても後悔したのは……誰にも言わないでおこう。
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