幼き日の約束



「名前は?」

「んー。名前かぁ…」

そう言って男は私の方を向いて、
にっと笑いながら言った。

「君の好きな季節って何?」

「え…春、だけど」

「そっか。なら俺の名前はハルってことで」

「何それ!意味わからないっ」

そう言うと男は…ハルは、

一瞬だけだけれど、
どこか悲しそうに笑った。
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