心を全部奪って
「それで、朝倉はどうしたの…?」


霧島君の唇が震えている。


動揺が痛いくらい伝わって来る。


私はそれを見ないように、ぎゅっと目を閉じた。


「一緒になろうって言われたの…。

本気だって…。

幸せにしてあげるって…。

だから私…」


「アイツに抱かれた?」


「え…?」


意外な言葉に、パッと目を開けた。


「また、アイツに抱かれたの…?」


「霧島君…」


どうしよう。


なんて答えたらいいんだろう。


「つまりアイツとずっと一緒にいたから、電話に出てくれなかった。

そういうこと…?」

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