心を全部奪って
だけどこれからどうしよう?



モクモクと湯気の上がるシャワールーム。


キュッと栓を閉めると、シャワーカーテンをシャッと開けて、バスタオルで身体を拭いた。


霧島君のアパートのお風呂は、トイレと洗面が浴室内にあるいわゆる3点ユニットというやつで。


なんとかお湯を溜めて入ることも出来るかもしれないけど、実際やろうとしたらなかなか難しいだろうなと思った。


濡れた鏡を手で拭って、自分の顔を映し出してみる。


なぜか自然にこぼれてしまう笑み。


やけにウキウキしている自分がいる。


さっき、霧島君と一緒にお皿を洗った。


霧島君が洗剤でお皿を洗って、私がそれを水ですすいだんだけど。


時々霧島君が「あ、間違えた」って言いながら、私の手をわざと洗うからおかしかった。


洗剤でヌルヌルの手で、何度も私の手を握ってはクスクス笑う。


泡を顔につけようとしたり、イタズラばかりする彼。


だけどそんな何でもないことが、霧島君となら楽しい。


どうしよう。


ワケもなく幸せだ。

< 320 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop