心を全部奪って
「なぁ、こっち来いよ」


にんまり笑って、霧島君が両腕を広げる。


「えー…」


ど、どうしよう。


すごい恥ずかしいんですけど。


「何やってんだよ。

早くー」


「あ、はい…」


おずおずとソファーまで歩き、ちょこんと端に座る。


「おいっ」


「な、なに?」


「何なんだよ?この微妙な距離は!」


「いや、あの…」


だって。


胸がドキドキするんだもの。


「いいから、早く来いってのー」


そう言って後ろから羽交い絞めにされた。


「ちょっ、く、苦しいー」


く、首が絞まるーーー!


「問答無用!」


「いやーーー」




数分後……。


霧島君がソファーの肘かけに頭をもたれ、私は霧島君に覆い被さるように寝転ぶという格好で落ち着いた。


「ったく…。抵抗する意味がわからない」


「だ、だって…」


ゼーゼーと息が上がっている私達。


なんだか疲れて霧島君の胸に耳を当てたら、トクントクンって霧島君の鼓動が聴こえた。


それを聴いていたら、やけにホッとしてしまった。

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