本当の私と恋
『美和…ごめんね。遅くなって。
 これを取った後に、ちょっと他の部署の人に声かけられちゃって…』

本当はすぐに来ていたけど…

「あっとそうなんだ。
 ごめんね…」

「高梨君…何が足りなったんだね。」

部長はあくまでもクールな顔をして私に話しかけてきた。
今まで、あんなにも…そう。一言でいえば嫉妬していた男とは思えない。

『あっ。こちらです。
 すいません、すぐに会議の準備に取り掛かりますから…』

私は、ちょっと恥ずかしくなって…
桐生部長の顔が見れなかった。
美和を見ると、さっきより少し頬が赤いように思うし、笑顔がすっごくかわいくなっているのが分かった。

きっと、この顔が愛されているって・・・愛しているって・・・証拠なのかも知れない。

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