異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました



 こちらに顔を向けたリズは、写真を見つめて苦笑にも似た微妙な表情を浮かべる。

「うん。そうよ。きれいな人でしょ」
「あぁ。すっげー美女だったんだな」
「血がつながってるとは思えないくらい私とは似てないでしょう」
「そうか? 確かに髪や目の色とか見た目はあんまり似てないけど、色々似てるとこあるよ」
「え?」

 リズは心底意外そうに目を見開いた。
 美女な身内と比べられて似てないって言われてきたのかな。でも今初めて姿を見たオレには、日記の記述からはあまりにかけ離れていて、それで驚いたのだ。
 リズは信じられないというように、俺の意見を否定する。

「大叔母さんって美人で仕事もできて局員からの信頼も厚い優秀な科学者だったのよ? クールビューティって言われてたんだから。私とは似てないでしょう?」
「日記を読んでみればわかるよ。そんな外見や仕事ぶりから受けるような近寄りがたい印象なんてぜんぜんないから。バージュ博士の功績を自分のことのように喜んではしゃいでるかわいらしい人だよ」
「へぇ、そうなんだ」

 リズの記憶にあるフェティは晩年のものだから、若い頃の様子は人づてに聞いただけなのだろう。
 日記の中のフェティは噂のクールビューティとはほど遠い。仕事や研究にはまじめに取り組んでいたようだが、それ以外のことには案外ずぼらで、バージュ博士に三日間ため込んだ実験器具の後片付けをさせたりしていた。
 明るくおおらかで、好奇心旺盛。世界のすべては自分の味方だから、なにがあっても大丈夫という根拠のない自信に満ちあふれている。
 バージュ博士が失踪から生還した時も「ほら、やっぱりランシュは無事だった。だって天は私の味方なんだもの」と書かれていたのを見て思わず吹き出しそうになったくらいだ。

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