異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました


 努めて平静を装ったつもりだったんだが、リズはおもしろそうにクスリと笑う。

「いつも通り腰まででいいわ。おしりの割れ目まで出さなくていいから。うつ伏せになって」
「ん……」

 くそぅ。オレが何を気にしているのか、お見通しなのがなんだか悔しい。てか、おしりの割れ目とか言うな。

 少しムッとしながらオレは制服を腰までおろして言われた通りに作業台の上でうつ伏せになる。
 腕を枕にしてたらリズに指摘された。

「腕は体の横に置いてて。背中の皮膚が歪むし背筋に力が入るから」
「ん……」

 言われたとおり腕をおろして顔を横向きに作業台に載せる。まさにまな板の上の鯉だな。
 周りにある機械の電源を入れて調整をしていたリズが作業台に戻ってきた。いつものようにオレの腰に電源ケーブルと通信ケーブルを接続しながらこれからの作業内容を説明する。

「先に内蔵システムや機能のトラブルチェックを行うわね。異常があれば一緒に修理するから。そのあと傷ついた皮膚を交換するわ。痛いはずだから、痛覚センサは切ってね。気になるなら五感全部切っていいけど」
「痛覚だけでいい」

 五感全部切ってなにやってるのかわからない方が気になる。

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