異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました



 よく聞くっていうより、こいつの場合なにもわかってないだけだと思うけど。なんとなく、こうなるような気はしてた。

「じゃあ、これからは仲良くしてね。トロロンって名付けたの」

 緊張感のない脳天気ぶりを表現した名前だろうか。

「研究室に置くの?」
「家には私がいる時間が少ないし、この子がひとりになっちゃうから寂しいでしょ?」
「リズは寂しくないの?」
「だから、家にはほとんどいないから寂しくなるひまないわよ」
「ふーん」

 寂しいから家にいたくないんじゃないか? とは言わずにおく。

 腰まで下ろしていた制服に袖を通して、トロロンを抱えたリズと共に作業場を出る。
 リズはそのままトロロンをオレに預けて、二課長に作業完了報告をするために研究室を出て行った。

 充電がまだ完全ではないので、オレはムートンがパズルをしている隣でケーブルを繋ぐ。そしてそのまま図書館の本を閲覧しつつ、トロロンとまったりしたり、じゃれあって遊んだりした。
 トロロンは中型犬くらいの大きさがあるので、じゃれあうと結構取っ組み合いみたいな感じになる。無駄に体力使って、充電が進まないっての。
 地球の猫だとじゃれあって興奮したら爪が出たりするもんだが、さすがは愛玩用ロボット。人間相手に遊んでるときに爪は出さない。オレは人間じゃないけど。

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