異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました



 しばらくそんなことを繰り返していると、隣で黙々と立体パズルを楽しんでいたムートンがオレに声をかけた。

「シーナ、オナカガスキマシタ」
「あぁ」

 リズがいないとき充電が必要になると、ムートンはオレに要求する。リズがちゃっかりそんな風にプログラムを変更したらしい。
 立体パズルはきれいに組み立てられている。そろそろ夕方の掃除を始める時間だからか。掃除中にピースが紛失しないように、ムートンは掃除の前にはきっちりパズルを完成させる。
 ムートンの電源ケーブルを繋ぎながら、そんなことを考えてふと気づいた。

 リズ、遅すぎじゃね?

 オレが目覚めたのが昼過ぎだった。今は日が傾き始めて窓から差し込む日差しが少しオレンジ色になっている。

 二課長に報告に行って、そのまま何か用事を頼まれたとしても、オレに誰からも連絡がないってのはおかしくないか?
 他の人にとってオレは備品だから、連絡がないのは仕方ないけど、だからこそリズ本人から連絡がないのが一層気になる。昼間にこんなに長時間理由のわからない不在はなかったのだ。

 なんだか胸騒ぎがして、オレは二課長に通信を入れた。

「お疲れさまです。シーナです」
「あぁ、シーナ。もう体は大丈夫かい?」
「はい。充電も完了しました」
「そうか、よかった。これからもよろしく頼むよ」
「はい。頑張ります。ところで二課長、今事務室ですよね」
「あぁ」
「リズはそちらにいますか?」
「リズは昼過ぎに来たけど、報告をすませたらすぐに帰ったよ」
「研究室には帰ってないんですけど、どこに行ったか聞いてませんか?」
「なにも言ってなかったよ」

 なんだ、それ。リズが行方不明?


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