異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました


 デザートのミルクアイスを食べながら、オレがそんなことを考えていると、リズが上機嫌でアイスを讃えた。

「このアイスおーいしー!」

 どうやら少し酔っているようだ。にこにこと笑みをたたえて頬が少し赤くなっている。
 実はアイスに酒がかかっているのだ。これ、オレのとっておきのアイスの食べ方。

 濃厚なバニラアイスに蜜のように甘い酒をかけて食べるとすごくうまいのだ。
 オレのおすすめは貴醸酒(きじょうしゅ)だが、貴腐ワインや甘口のにごり酒でもうまい。

 アイスにブランデーってのはよく聞くけど、ブランデーは香りを付加するのに対して、これは味を付加する。だからアルコールは飛ばしてない。

 というわけでお子さま向けのデザートではない。大人向けのちょっと贅沢なデザートなのだ。

 オレの体は十八歳の未成年設定だが、クランベールでは十八歳から飲酒OKなので、絶対命令に邪魔されることなく酒入りデザートも堪能できる。

 なんかお貴族様たちは早婚で十代から社交界デビューなさるから、宴席で酒を飲めないと様にならないということで、貴族男子の平均結婚年齢十八歳から飲酒解禁になってるらしい。

 まぁ、オレの体は、酒の味はわかるけど、どれだけ飲んでも酔っぱらうことはないんだけどな。


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