28才の初恋
 『何でもやってあげたい』その気持ちはヤマヤマなのだが……私が大樹クンの仕事を代わりにやってしまうと他の課員に示しが付かない。
 ここはグッと我慢だ。

 上司と部下の関係とは、時に不便なものだ。
 大樹クン、早く私のお婿に来ないかな?
 そうすれば家のことは全部私がやってあげるのに……!!

「おい、お茶」
「ハイ!アナタ!!」
「おい、風呂」
「ハイ、アナタ!!」
「おい、寝るぞ」
「パジャマが良い? ネグリジェが良い? それとも……ぜ・ん・ら!?」

 なーんて!!良い!それ良いっ!!
 早くこれが現実にならないもんか……。

 まあ、まだチューさえしていないのが現実なんだけどさ……。
 それでも!いつか婿に貰ってやるんだからっ!!
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