28才の初恋

4-2

「そろそろ、行こうか」

 気が進まないが、そろそろ面会を求めるのに良い時間になってしまった。
 大樹クンを促して『恒久』のビルへと向かう。

 そのままエレベーターに乗り、受付がある十二階へと上がる。
 予め訪問の約束を取り付けているので、すぐに桃代部長と面会することは出来るだろうが……それが憂鬱だ。

 しかし、望んでいない時ほど時間はあっという間に経つ。
 桃代部長の待つ、部長室へ通されたのは受付を済ませてから五分も経った頃である。

 ドアをノックする前に、深呼吸を一つする。
 横に居る大樹クンも私を倣って、同じく深呼吸をしている。可愛いヤツだ。

「失礼します」

 ドアを開け部長室へ入る。
 中では、桃代部長がふんぞり返っていた。
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