28才の初恋

4-7

「是非……ねえ。うーん……」

 桃代部長、まだ返事を勿体つける。
 いい加減に粘着質なところがあるオッサンだ。
 取引先でなければ、その微妙にハゲた頭に思い切り張り手を喰らわせてやりたいところである。
 さぞかし『スパーンッ!』という良い音が響くことだろう……が、ここは我慢である。

「何か……ありますか?」

 この桃代部長による引き伸ばしに我慢できなくなってしまった大樹クンが口を挟む。
 若い!若いよ!!
 ここは桃代部長が自分で話し出すまで待つべきだ!

 そう思っていたのだが、桃代部長が話し出した言葉は、少し私の予想外のものだった。
 いや、ある程度は予想してしかるべきことだったのかもしれない。

――しかし、まさかこのタイミングでそんな事を言い出すとは……予想していなかった。
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