28才の初恋

4-8

「じょ、女王様……じゃなくて、瀬戸くん!」

 いきなり、何事もなかったかのように桃代部長が口を開いた。
 というか、いきなり『女王様』とか口走らなかったか!?

 そうか……そういう趣味だったのか。
 これは完全にリサーチ不足だった。

……って、そんなことはどうでも良い!

 完全にピンチだ!!どう考えても修復不可能なほどの致命的な一撃を自分で入れてしまったような気がする。

「は、ハイ!」

 しかし、こうなればヤケだ。
 私も負けじと何事も無かったように返事をしてみせる。

 コホン、と小さく桃代部長がわざとらしい咳払いをして、言葉を続けた。

「その……あれだ。私が言い過ぎた。これまでのことは……水に流すということで……どうだね?」
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