28才の初恋
 携帯をソファの上に置いて、部屋の中をウロウロと歩き回ってみる。
 そんなことをしてみたところでゴミの山が片付くはずもなく、私が歩いた跡にケモノ道が出来た程度である。

――イカン!現実逃避をしている場合じゃない!!

 壁に掛けてある時計をハッと見る。
 現在の時刻は一四:〇〇。

 大樹クンが来ると言っていた時間は明日の午後一時……一三:〇〇だ。
 つまり……あと……二十三時間しかない!!

 部屋一面に……というか、床が見えないくらいに積み重なったゴミの山。
 これを明日、大樹クンが訪ねて来るまでに片付けないといけない!
 ちなみに、現在のこの部屋、掃除機はおろか……ゴミ箱でさえも視認できる位置にない。

 ぶっちゃけ、ゴミ箱もゴミの山のどこかに埋もれている。

――これは……戦争じゃああああっ!!
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