28才の初恋
「へ……? 私の……家まで?」

 思わず聞き返す。
 聞き返すと同時に視線はゴミの城となっている部屋の中を泳ぎ回る。

 こ、この部屋に大樹クンが来る?
 そ、それはイカン!絶対にマズイ!!

「はい、休日に会社まで出てきていただくのは悪いですから。俺が課長のお宅に伺いますので……それじゃあ、明日の一時には伺えるようにしますので。お願いしますね!」

 うお!!
 反論する間を与えずに大樹クンは一気に用件を告げて電話を切ってしまった!

――え?ええ?ええええええええっ!!?

 そ、そんな。有無を言わさずに大樹クンがこの部屋に来るって!?
 いや、そりゃあ大樹クンと自分の家で二人きりになれるなんて……こんなチャンス滅多にない。

 でも……嬉しいけど、素直に喜べない!!
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