28才の初恋
 早速、財布を握り締めてジャージのまま近所のホームセンターに出発する。

 残された時間は僅か二十二時間三十分しかない。
 ゆっくりと買い物をする猶予は与えられていないのだ!!

 ホームセンターに並ぶ、魅惑の工具たちも今日はゆっくりと眺めている時間は無い。
 ああ……電動ドリルにインパクトハンマー。
 ダイヤモンドサンダーに丸ノコ、チェーンソー……次に来るときにゆっくり眺めるんだからねっ!!

 後ろ髪を引かれるような思いで、工具売り場を抜けて日用品コーナーへ。
 標的であるゴミ袋を手に取る。

――えーと、コレが七十リットルの二十枚入りか。

 内容量を確認する。これだけあれば……足りるはず!
 寄り道をしないために、すかさずレジに並ぼうとして……一旦引き返し、もう一袋同じ商品を……ね、念のためだから!

 多分、一袋あれば足りるとは思うけど……。
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