28才の初恋
 急いで買い物をして来たはずなのだが、家に戻った時には……時計は一六:〇〇を指していた。

――う、うーむ。おかしいな……。

 あの後、『消臭剤もあった方が良いか』ともう一度商品売り場に引き返して……ペットコーナーに居たチワワと目が合ったのが……あれがダメージが大きくした。
 
あまりの可愛さに、なかなかショーケースから離れることが出来ず、気が付いた時にはすでにその場で一時間のタイムロスを強いられて……だって!指を動かしたらさ、シッポをピコピコ動かしながら付いて来るんだよ!?

 可愛くて逃げられるわけ……あうう。

――と、ともかくだ。

 ゴミ袋を買って来たところで、いきなりゴミの城が消えてなくなってるなんていう奇跡が起こっているはずも無く。
 ゴミ袋を片手に、ドコから手を付ければ良いのやら……と立ち尽くしてしまっているわけだが……。

――うーん、掃除ってどうやれば良いのやら。
< 239 / 518 >

この作品をシェア

pagetop