28才の初恋
――バレたか?キスしようとしたのがバレたか!?

 慌てて顔を離す!
 離れた位置から、大樹クンの顔を覗き込む。
 まだ大樹クンの目は開いていない……が。

「うう……」

 そう声を漏らしながら、大樹クンの目が少し開いた。まどろむような目つきで、まだ意識はハッキリとは戻っていないようだ。

「気が付いた……?」

 手は握り締めたまま、大樹クンに声をかけてみる。

「あ、課長……ここは?」
「病院よ……飲ませすぎて……ごめんね」

 早速、謝ってみる。
 飲ませ過ぎたことや、色んなことを無理矢理聞き出そうとしたこと。それと……寝ている間にキスしようとしたこと……謝ることが多い。
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