28才の初恋
 何の言葉を返せないまま、ジュースの缶を両手で握り締める。
 小島との付き合いは割と長いのだが……ここまでされる理由は無いはずだ。

 私が大樹クンに好意を持っているのが原因なのだろうか?
 自分が大樹クンの彼女となったから、ライバルである私を徹底的に痛めつけよう――そんな心境でこんなことをしているのだろうか?

 そう思っていると、小島が再び話しかけてきた。

「これくらいしか、課長ぉに勝てるものが無いですからねぇ」

 と、この期に及んで私を痛めつけるような言葉を吐く。
 この執拗な攻め方に対して。もうそろそろ、私も怒っていいんじゃないだろうか?

……と思ったのだが、話は意外な方向に進むことになった。

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