28才の初恋

7-12

 まずは、大樹クンがどうして最近私を避けていたのか……である。
 これこそ、面と向かって聞いても絶対に答えてくれない質問だろう。

「ねえねえ、池田クン」
「はひぃ?」

 大樹クンの浴衣の裾をちょこんと握って、柔らかい口調で呼び掛ける。

 小島式小悪魔恋愛術、その二十二条。

『男の子にお願いするときは、服の裾をちょこんと摘んでみよう! そうすると男の子は断りきれなくなっちゃうぞ』

 この術の併用である。
 組み合すことによって、効果の相乗を図る。
 それでは、効果を実験だ!

「ねえ、どうして池田クンは私を避けてたのかな? ずっとマトモに顔を見てくれなくて……私、寂しかったんだけどなぁ」

――さあ、どんな返答が来るのだろうか?
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