28才の初恋
「ふぇっ!? へっ?」

 大樹クンのいきなりの行動に、思わずヘンな声が出てしまった。
 私のそんな反応を意に介さないように、トンネルに入った、暗い車内で大樹クンが私に耳打ちしてくる。

「課長の身体……キレイでした。それで……その……嬉しかったんで……気にしないで欲しいんです。だから……俺も、その……裸を見られたこと気にしてないんで……上手く言えないんですが、これからもよろしくお願いします」

 大樹クンの声は、ヒソヒソ話をするような小さい声だったが……私の脳髄までキッチリと刻み込まれた!

 もう!これからもいくらでもお願いされちゃいますよ!!

 と、とりあえず、車内も暗いことだし。
 ちゅ、チューでもすっか?

――と、普段の私ならば妄想まっしぐら……な筈なのだが。
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