28才の初恋

8-3

「この話、極秘プロジェクトだから。くれぐれも他の人には内密にね」

　そう念を押されて、私たちはオフィスに戻った。
　戻ると丁度、みんな昼休みに入るところ。
　長期休暇前に片付けないといけない仕事もあるためか、外回りから戻ってきていない人間も多い。

「課長ぉ、ランチ行きませんかぁ？」

　小島がそう声をかけてきてくれたが、私も残してある仕事がある。
　昼休みはオフィスに残って、サンドウィッチを食べながら仕事を続けるつもりだったので丁寧に断っておく。

　オフィスに誰も居なくなってから、先ほどの書類と『濃厚ドロソースかけ本場大阪のタコ焼きサンド』をカバンから取り出す。

　本来の仕事を片付ける前に、新会社の書類をパラパラっと眺める。
　ここに書かれていることを読めば読むほど……本当に良い話だと思える。
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表紙・目次

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