君と星空の彼方
お、お母さん?

「ちょ、ちょっと貸して!てかちょーだい!」


ムルから紙袋を奪い取ると、中を引っ張りだす。

その中でもいくつかの袋に分けられていて、1つ1つなんの袋か書いてあった。


「『覚醒の扉後の着替え』…じゃない!

『思い出のアルバム、幼稚園のやつ!』いや、いらない!


『荷物に入れ忘れてた、ごめんね!歯ブラシセット』ってなに!」

いくつかの袋を全部引っ張り出すと、1番下にに求めていた物が1つ。


「あ、あった!」

そう、手紙!なにかしらこの状況の説明は書いてあるんでしょうねぇ!


てゆうかお母さんのこととか、寮のこととか…
色々書いてあるよね⁉︎


紙を破れそうな勢いで開くと、見慣れたお母さんの字でこう書かれていた。


『ホシノ、どう?この生活には慣れそうかしらね?

お母さん、ホシノに寮のことは言ったからね?

ほら、昨日の朝ごはんの前に言ったけどホシノうつむいたままなんか考え込んでる様子だからもしかして聞いてないかと思ったのだけど、さすがに聞こえてたわよね。


あ、ちなみに宙橋学園は基本外部連絡は禁止よ?

少しは許されるけど…

家や私の携帯に電話してもお母さん、しばらく旅に行くので繋がりません♪

では、がんばってね!

応援しているわよ!


お母さんより』



お母さんの少しクセのある字。

これは偽装なんかじゃなくって、正真正銘お母さん!



っていうか、私が転校のことで頭抱えて悩んでいた時に、確かにお母さんの呑気な声が聞こえたとは思ったけど!

まさか、寮の知らせなんて思わなかったよ!



「ていうか旅って何⁉︎どこいくの⁉︎バカなの⁉︎」




「心の声がだだ漏れでございます、ホシノ様」




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