君と星空の彼方
「星空使いの中では、ある『掟』が存在するんだ。

星空使いだからこそ…星座の力を持つ俺たちだからこそ、ある掟が」



そこまでいうと、夜月は少し微笑む。

けど…なぜだろう、優しい微笑みのはずなのにどこか切なそうだ。


「神話上で、夫婦の星座があるだろう?

例えば俺らみたいなアンドロメダとペルセウス…

それはともかく、年齢差が5歳前後の男女はね。


……結婚をしなきゃいけない」



「………は?」


結婚…?

いやいやいや、ちょっと待って!


夫婦の星座…って。


アンドロメダとペルセウス。

2人は運命の相手。

私と夜月。

その2人それぞれの力を持つ。




1つ1つの出来事がうまい具合に繋がっていく。



「……う、そ…だぁ」


「本当。これが俺たち星空使いに存在する掟。


2人は出会ってから5年以内に結婚をしなければいけない。


たとえ、それが幼い子供でも。

破ってしまうと…日本の能力者のリーダーである


『神』が罰を下すんだ」



あり得ない。

結構とか、掟とだとか…


それに、

「神って…誰?」


「日本というか…この世界はアジアとかヨーロッパとか、アメリカとかアフリカとか大まかに国たちが分類されているだろ?そのかたまりで、能力者も分類されてるんだ。

日本はアジアのグループに所属している。

各グループの頂点に立つ者は『神』と呼ばれていてね…

能力者の一族では掟が存在するところが多くあって、その掟を破ると…

神が、罰を下すんだ」


一気に言われて、頭がもうパンク状態だ。

オール4の頭では全ての内容が入り切らないし、理解もできない。


「しかも、今のアジアの神は、世界の能力者を統率する『大神』と言われていて、力がとてつもなく凄い。

罰は甘いものじゃ済まされないだろうね」



そう淡々と、少し笑みを浮かべながら話す夜月。

落ち着かない様子で私たちを見守るみんな。



みんなとは違って、無表情でなにを考えているのか読み取れない表情をしているセイヤ。

みんなからは


ただ、優しい視線と、同情の視線と、少し冷たくも感じる『無』の視線が


私に襲いかかって来た。




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