君と星空の彼方
☆eleven☆掟破りの恋
「むぅ〜…ホシノ、元気だしなさいな。

ほらほら、お菓子あげるよ〜?」


「……いらないや。甘いものはそんな好きじゃないから…

チョコ以外」


私とミズキinアウアールーム。

そう、私たちの部屋にいるのです。


寮の中では運良くミズキと同室になれることができた。

もし私に覚醒のきざしがなかったら別室だったらしいけど。



みんなから掟のことを話されたあと…記憶は曖昧だ。

ムルがご飯を持ってきた…ところまではなんとか。

けど食欲がなくなってぼーっとしてたら…いつの間にかここにいた。


多分ミズキが連れてってくれたんだと思う。





かれこれもう20分ぐらいこのまま。


新たなマイベッドの上で体育座りをし、ひたすらみんなに話された『掟』について考えていた。


「ホシノ、辛いのはホシノだけじゃないんだよぉ。

今まではこの掟はどんな人でも守って来た物だから。ホシノが破ることなんてできないんだ」


…正論です、ミズキ様。


けど、ここでいう『当たり前』とお母さんに宣告される前の私の『当たり前』はそれこそ天と地の差で。

簡単にここの当たり前には、受け入れられないんだ。



「……夜月だって、悲しんでいるホシノを見たくないと思うよ。

それに…イリヤ先輩も」


イリヤ先輩?

なんでそこにイリヤ先輩が出てくるんだろう?

私は疑問の意味を込めて、向かい側にあるベッドの上に寝転がっているミズキを見た。


ミズキは上半身を起きあがらせて、少し悲しそうな顔をする。

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