気づけばキミと恋に落ちて
拓篤に気なんか、ないんだからっ。


目が合った時に、ドキッとしたのだって突然だったからだし。


そんなことを考えながら着いた会社。


昨日留里ちゃんには、〝宗ちゃんと二人きりにならないように昨日の電車で来たら?〟と、アドバイスをもらった。


もらったんだけど、あからさまに避けるのも、おとなげないよなと今日は普通に来てしまった。


おかげで拓篤に見つかっちゃったんだけど…。


普通に…と、自分に言い聞かせ、宗ちゃんがいるであろう空間に入った。


「おはようございます」


いつも通りの時間で出勤してきたわたしに、宗ちゃんは少し驚いたようにコチラを見た。


「はるちゃん、おはよう」


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