気づけばキミと恋に落ちて
「んじゃな、陽美。連絡するから。おやすみ」
「……っ、」


拓篤が近付き、わたしが一歩下がると、拓篤の手が腰に回りグイッと抱き寄せる。


そして、拓篤の顔が近付いてきて、逃げれないわたしはギュ、と目を閉じると額に感触が…。


チュ、としてすぐに離れた拓篤の顔を見れば、優しい笑顔の彼と目が合った。


「いくら彼氏のフリでも、クチビルにはしねぇよ」


なんて、固まるわたしをよそに「またな」と言って、帰って行った。


そして、今に至るというワケだ。


額にされた拓篤のクチビルの感触が、まだ残ってる。


宗ちゃんとのキスを、忘れてしまうほどに…。


そんな拓篤のことで頭がいっぱいになっていると、スマホの着信音が鳴りディスプレイを見ると拓篤で、あまりにも驚きすぎて床にスマホを落としてしまった。
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