気づけばキミと恋に落ちて
陽ちゃんがいないことを、いいことに堂々とクチビルを重ねる。


「陽美、オレの奥さんになる?」
「えっ?」


クチビルが離れ、至近距離で見つめ合っていると、拓篤の突然の言葉に動けなくなる。


〝結婚〟って、ことだよね…?今のは、プロポーズなの…?


「もちろん、今すぐにとは言わねぇよ。ただ、この手を離したくねぇんだ」


あ。拓篤も思ってくれてた…。それだけで、胸がいっぱいなる。


「三つも年上だけど、いいの?」
「年なんか、関係ねぇだろ」
「結婚したら、陽ちゃんも付いてくるよ?」
「上等だ。まとめて、愛してやるよ」


〝ぷっ〟と、二人で笑い合う。


オレ様だけど、イジワルだけど、優しい拓篤。


そんな拓篤が、わたしは大スキだよ。


*おわり*


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