鬼上司と私のヒミツの関係

入社三年目の森本沙耶。
この間、誕生日を迎えた二十三歳。

短大を卒業して、土木・建築工事の設計、施工など、そして不動産事業にも携わっている会社に就職した。

私は建築営業部で事務の仕事をしている。


ちなみに、このフロアではおっちょこちょいでつまらないミスをするマヌケな女と陰で言われている。


自覚はあるけど、ミスする回数は確実に減っているんだけどなぁ……。


小さくため息をつきパソコンのマウスを動かしエクセル画面を開く。


おかしいな、どこから間違えていたんだろう。

元ネタの資料と自分の作った書類を見比べると、すぐに間違いを発見した。


今度は注意深く数字を入力し終わると一通り見直す。

さっきは急いでいたから見直すという作業を怠っていたんだ。

間違いがないのを確認してからプリントアウトし、時計を確認する。

よし、ギリギリ制限時間内に出来た。



「あの、部長……出来ました」


おずおずと直した書類を差し出す。

部長はパソコン画面から視線を私に向け、書類を受け取った。


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