このよでただ、独りだけ
アレクシアはその笑みに嫌なものを感じて身を引こうとするも相手は吸血鬼。

小娘のか弱い足掻きなど意にも介さずヒースコートはアレクシアの首筋に甘く噛み付いた。

「………っ」

ピリッと走る痛みにアレクシアは抵抗を強めるもヒースコートは動じない。

それから何秒か後ヒースコートはアレクシアを解放した。

「何を、したんですか」

アレクシアの首筋に浮かび上がった真っ赤な蔦模様の痣。

アレクシアはそれが見えず痛痒いような感覚を気にして首元を擦る。

その様子を見てヒースコートはけらけらと笑った。
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