このよでただ、独りだけ
「そう、だよね。ごめんね。行こう」

拗ねたようなコゼットにアレクシアは苦笑しながらそう言って手を差し出す。

アレクシアに手を握られるとコゼットはたちまち機嫌を直して、二人で本の海に溺れていった。

「わっ、もうこんな時間。ごめんね、アレクシア。私、もう帰らなきゃ」

「あ、こっちこそごめんね。じゃあ、また来週」

いつもよりは早いものの結局夕方になるまで二人で本を読み続けてしまい、コゼットは慌てて帰っていく。

コゼットを見送ったあとアレクシアは何かつまらなくなってしまい、日暮れまでいることもある図書館に背中を向けた。
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