帰ってきたライオン

目の前に助けてと手を伸ばしている人がいて、それをみすみす見捨てるようなまねをする人には興味はないけど、それでも彼女としての扱いは受けたかったなあと(思ってもいいよね?)

メールだってたくさん送っていたものの、携帯を海に落としてなくした羊君には届いていなかったという情けなさ。

パソコンにも送っていたわけなんだけど、それは会社用のものなので個人的なメールを送るのは気が引けてしまっていたってのが本音。(送ってたけどさ)

ぶっきらぼうだし雑、適当だし何考えてるんだかわからないところがあるけど、それでも人にはすごく優しい。(動物にも)

困っている人に手を差し伸べられたら迷わずにつかんで助ける。

羊君はそういう人だ。


だから好きだった。


誰にでも優しい。
困っている人は全力で助けようとするし、道を照らし示せる力だってある。

だからこそ仕事でも成功してやっていけてるんだと思う。でもそれを鼻にかけないところもいいところなんだ。


人を傷つけない。
(私は傷ついたけど)
それでも私にも多少なり非があるの分かるから。
グリーンみたいにがしがし行かなかった。行けなかった。

例え自分が傷つけられても、やり返したりしない。
なんでそうなるんだろうって考えるタイプだ。

だからこそ、グリーンの話は嘘偽りなく本当のことだと感じたんだろうし、実際に目で見て実感して動いたんだと思う。


そうなのだ。羊君は昔からそういうところがあった。
人助けを進んでする。


そんなやつだ。


でも、さっき何気なく言った羊君の一言、


『助けなきゃって、助けたいって思った』


答えが出たんだ。
きっとそこのところを言いたくて今日食事に誘ったんだと思う。

ぶっきらぼうっていうオーラを出して、
私を傷つけないように、
ああなったのかな。
悲しませないようにとか思ったんじゃないのかな。


そう思うとなんだか胸がきゅーってなった。
一方、逆に羊君という人間を誇りにも思うという本当になんともいえない複雑な心境になっているわけだ。

しかし、はっきりしたこともある。

私は……

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