~Special Short Story~
バスが進み出しても、心の中であたふたしながら冷静さを装う私。もしかして、あれ星村くんだった?いやいや、顔違うし……じゃああの人誰!?
『次は大学前~』
うんうん悩んでいると着いてしまった。疑問を抱えながら私はバスを降りる。そして、立ち止まって振り返る。
私の目には、定期をかざした星村くんがバスから降りてくる姿が目に入った。よかった、さっきのは星村くんじゃない人だ。
「ねぇ、さっきシルバーピアスの人に話しかけられたんだけど、知り合い?」
率直に星村くんへ尋ねる。
「あー友達です」
なるほど。星村くんの友達だったのか。
「何か言ってましたか?」
「ううん、挨拶されただけ。ビックリしたけど、私のこと知ってるの?」
私の言葉に、少しバツが悪そうな顔をする星村くん。
「さぁ、分かんないっす」
だよね。誰かと間違えて挨拶したのかもしれないし。
「あの」
そう言った星村くんが差し出したのは、いつもの白い封筒。
「これ、どうぞ」
何だろう。昨日と違って、初めて手紙をくれた日みたいな強ばった顔をして私を見る星村くん。