~Special Short Story~
「でも、気になってるんじゃない?片思い同士とかいう目線じゃなくて、香山先輩の存在に」
シズがふっと笑いながら言う。
「そ、そんなわけ……」
あるかもしれない。
香山先輩がいるとムカつくし、また来たって思うけど……少しだけ胸がドキドキいってるんだ。
あれ?え、どうしよう。
「ねぇ、これって何!?このドキドキなに!?」
「お、もうその段階まで登り詰めた?」
「二股の片思いもいいね~!」
パニックになるあたしに、シズとサヤが笑みを浮かべる。もうやめてよねっ!
「香山先輩のことなんて好きじゃない。香山先輩のことなんて……」
「何ブツブツ言ってんだよ」
放課後。サッカー部の練習を見ながら、独り言を呟いていると……背後から香山先輩の声が聞こえた。
「んな、な、何も言ってないっす!!」
ビックリして声が裏返った。
「なんだその声。アホ丸出しだな」
そう言いながら、香山先輩が隣に腰掛ける。
「か、香山先輩今日も暇なんですか?」
「あ?これも立派な用事だ」
サッカー部鑑賞が用事、ね。
「でも、フラれたのに見に来る勇気ってすごいですね。私だったら絶対来ない!ていうか、気まずくなって顔合わせるのもやだなぁ」