~Special Short Story~



そりゃ、俺にも麻央にも自分の時間ってのがあるけどさ、もうちょっと連絡ほしいなぁ、なんて。


俺も恋愛の一つや二つは経験してるから、女の行動パターンてのも少しは学んだつもりだけど、麻央のことはなかなか読めない。


何をしたら喜んでくれるのかとか、初歩的な事から言うと俺のどこが好きなのかってことすら……分からない。


だから、本当に俺のこと彼氏として、見てくれてんのかなって思うこともある。


麻央からの連絡を待つことを試みるけど、結局我慢出来ずに自分から連絡しちゃうんだよな、俺。


今日だって、麻央はきっと俺が麻央ん家に行くことを分かってるはず。だってこんな俺だもん。麻央にはいつも、考えていることを当てられてばっかりだ。


でも、今日の俺はいつもと違うんだ。


シャワーを浴びた俺は、タオルで全身を拭く。短い茶髪の髪の毛の水滴も手早く拭き取る。


そして、パンツ一丁でリビングへ向かい、ハンガーに掛けていた衣類に目を向けた。


それは、今日の俺の勝負モノ。



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