放課後は図書室で甘い時間を





「桜、今日日向先生と?」

「あ、うんっ。今日も会うよ。」

「そっか。じゃぁ、うち帰るねっ♪」


放課後、江梨子と私で話していると楓君が私たちのところに来た。


一瞬、楓君と目が合う。


少しだけ、悲しそうにした楓君は、「俺、今からバスケやりにいくんだけど…。見に来ない?」

私たちをバスケの観戦に誘った。


あぁ……そっか…楓君…今日バスケの試合だぁ……。


今回の試合で、都大会に出場出来るか出来ないかが決まるってバスケ部の子達が言ってたな……。


…日向…は、どうしよう…。


だけど…私…楓君に酷いことしちゃったし…。

見にいった方が良いよね…。



「どうする桜?うち別に構わないけど。」

「………うっ…うんっ!!行くっ!!」



瞬間、楓君の曇り顔が明るい顔へと変わった。

満面の笑みだった。



「マジで?!俺頑張るわ!!!!」


今にも跳び跳ねてしまいそうなくらい上機嫌な楓君は、私たちに手を振って教室から走って出ていった。


「……機嫌…いいね…。」

「当たり前でしょー?桜が見に来るんだから。」


いや、私は関係ないでしょ。

心のなかで突っ込んだ。











< 184 / 236 >

この作品をシェア

pagetop