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第1章〜冬〜

4月1日 席替え

席替えは私にとって一大イベントだ。

数カ月はその席でやっていかなきゃならない。

周りに友達がたくさんいる席のクジをひかないと、その間授業がなおさらつまなくなる。

でも、今の季節はそれだけがいい席の条件じゃない。

いかにヒーターの近くに座るかも大事になってくる。

「いい席がきますように……」

心の中でつぶやきながらクジをひき、ひらいてみる。

「やった、ヒーターの隣じゃん!」

あとは大親友のユウが私の近くの席のクジをひいてくれれば、こらからの学校生活は楽しいものになること間違いなしだ。

ところが、ユウは遠い席になってしまった。

ユウがこっちに近づいて来た。

「レイと離れちゃったね〜。てかさ、レイの隣ヤスキだよ。これから超ヒマになるね、ドンマイ。」

「ヤスキって和田君のコト?なんでヒマになるの?」

「はぁ?知らないの?あいつ、すっごい女子嫌いなんだって。顔イイから何人か告ってるケド、全然ダメだって。てか、話し掛けただけでにらまれるらしいよ。」

「へぇ〜……」

ユウと席が離れたうえにまさかこうなるなんて…。

席の移動が始まった。

和田ヤスキが隣に来る。

かたちだけでも挨拶しとこ。

「和田君だよね?私分かる?矢嶋レイ。これからよろしくね!」

チラッとこっちを見た。普通の人じゃんなんて思う。

「どうも。」

そっけない。やっぱり女子嫌いなのだろうか。
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