ボタン

4月2日 放課後

対話テストの内容を決めるため、なんとかして和田君に話しかけようと試みたもののうまくいかず、結局放課後になってしまった。

今和田君は隣で帰り支度をしている。言うなら今しかない。

「あっあの和田君、対話テストの内容どうしようか?私英語苦手だからさ、早めに決めて練習したいなぁと思って…。」

和田君はこっちを全く見ずに言った。

「あぁあれか。俺も英語得意じゃない。これからヒマなら図書館でも行きますか?」

…えっ?今図書館に誘った?女子嫌いの和田君が?

「えっあっ、うん行く。」

しまった。思わず「うん」なんて言ってしまった。

「なら早くして。5時で閉まる。」

「はっ、はい!」

どうしよう…。とりあえずユウに先に帰るって言わなきゃ。

「あの…和田君先行ってて。すぐ追い掛けるから。」

「分かった。」

さあ大変なことになった。でももう行くしかない。ユウのいる体育館に走った。

ユウは部活中だった。

「ユウちょっと来て!」

「何?どうしたの?」

「あのね、今日先帰る。和田君と対話テストの内容決めに図書館行くの。」

ユウは手に持ったバドミントンラケットを落としかけた。

「はっ?ヤスキと図書館!?レイもよくやるね。分かった。がんばって!」

「うん…」

私はユウに別れを告げ、急いで和田君を追った。
< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop