Snow-White




私は無意識に、首にかけていたネックレスを取った。




2つで1つのハートになるネックレスを。




優斗からの、最期のプレゼント。




私は2つを重ねた。




先は尖っていて、小さな宝石が埋められていた。




「ねぇ、優斗…。今から、会いにいっていい…?」




段々と雲行きが怪しくなってきた。




まだ少し早いが蝉の声が、遠くに感じる。




「今から、会いにいくね…」




私はネックレスでおもいっきり手首を切りつけた。




その時、雨が降りだした。




真っ赤に染まっていく雫。




雨が涙を…




蝉時雨が泣き声を隠す―…




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