Snow-White
あれから数十分、ずっと涙が止まらなかった。
けど、皆が側に居てくれたから、思ったより涙は早く止まった。
そして涙が止まった今。
「由樹。」
由樹くんを呼ぶお兄ちゃんの声。
そっちに視線を向けた瞬間。
―バチンッ
「………っ!!」
鋭い音が部屋に響いた。
私は目を見開いた。
それは皆も同じで…
「本当にすみませんでした。」
そう言って謝る由樹くんの頬は赤く腫れ、光るものが伝っていた。