カッコイイオトコ
なんて器用な人なの……。

更に頭をクラクラさせていると。

「お姉ちゃん、これなあに?」

ナツキくんが私の後ろから、小さなバスケットを取り出した。

「あ、それは!」

重箱の凄さに咄嗟に隠した、私のサンドイッチです…!

なんの変哲も無い、ふつ~の、ふつ~のサンドイッチですー!


パカ、とナツキくんは蓋を開けて、中のサンドイッチを掴んだ。

「あー、パンだー!」

そしてそのままガブリ。

「あっ……」

私が止める間もなく、ナツキくんはサンドイッチをモグモグごっくん。

ああ、ナツキくん、お兄ちゃんのおいしいベーグルの後に、そんなふつ~のサンドイッチでは……

おいしくないよ!

ハラハラしながらナツキくんの反応を見ていたら。

「おいし~♪」

そう言って、笑ってくれた。

「え、おいしい?」

「うん、おいしいよ!」

そう言って更にサンドイッチを食べ続けるナツキくん……貴方が天使に見えます……。
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