カッコイイオトコ
「ふ~ん、マユの話聞く限りでは、結構まともな人なんだね」

「結構というか、かなり凄い人だよ…」

テーブルに顎を乗せて、私は溜息。

「でも確かに、自分料理出来ないのに相手が完璧な弁当作ってきたら、ヘコむかも」

「うん……ヘコんでる……」

「ふ~ん……」

ハルカはポテトサラダを口に入れ、しばらく口をへの字にしている私の顔を眺めていた。

「でもさあ、いいんじゃない? あんなおかしな人と無理して付き合おうとしなくても」

「えっ?」

思わずテーブルから顎を離す。

「だってやっぱ変な人だよ。電車転がる人なんていないし」

「…そ、それはそうかもしれないけど…でも、カッコ良かったよ?」

「その感覚もおかしいし」

「そうかな?」

「そうだよ」

ハルカはミニトマトを口に放り入れる。

それをモグモグしてから、また喋り出した。

「もうマユが無理だと思うんだったら、綺麗さっぱり諦めて次の恋を探した方がいいって」
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