カッコイイオトコ
「次の……人?」

「そう。私が普通でまともな人、見つけてあげるから。そんな変人じゃなくてね」

そう、ハルカが言うのを聞いて……私は、何故かムッとしていた。

「…違うもん。変人じゃないもん。凄くいい人だもん!」

頬を赤らめながら怒鳴る私を、ハルカは唐揚げを食べながら眺めている。

「時間伝え忘れたからって凄く早い時間に来てくれたし、弟が転んだら優しく手を伸ばしてあげてたし、私のまずいサンドイッチもおいしいって食べてくれたし、名前だって“ハルヒコ”くんだし、ピーさんだし、天気予報だし~!」

「……何だかその辺りは良く解らないけど」

ハルカは少し首を傾げながら、苦笑している。

「つまり、釣り合わないと思っても、好きになっちゃったわけでしょ?」

「えっ?」

「諦められないんでしょ?」

「……うん。そう、かも……」

ハルカに言われて怒っちゃうくらい、ハルヒコくんのこと……好き、なのかも。

「じゃあ、落ち込むのは止め。釣り合う様に努力したらいいんじゃない?」

「釣り合う様に?」

「そしたら、自信も持てるようになるでしょ」

そう言って、ハルカは最後の唐揚げを口に入れた。
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